車の燃料計がEマークを指し、ついにエンジンが力なく停止する「ガス欠」。予期せぬ場所で立ち往生すれば誰でも焦りますが、正しい知識さえあれば慌てる必要はありません。まずはハザードランプを点灯させ、後続車に注意を促しながら、惰性で走行できるうちになんとか路肩など安全な場所へ車を移動させます。特に高速道路上では、停止車両への追突は命に関わる大事故に繋がるため、三角表示板の設置とガードレールの外側など安全な場所への速やかな避難が最優先です。安全を確保したら、次にカーレスキュー「出張給油サービス」を手配します。主な依頼先は「JAF(日本自動車連盟)」か、ご自身が加入する「自動車保険付帯のロードサービス」の二択となります。JAF会員であれば、電話一本(全国共通ダイヤル#8139)で駆けつけてくれ、作業料は無料、支払うのは届けてもらうガソリン代(通常10リットル程度)の実費のみです。一方、非会員でも依頼は可能ですが、サービス料として1万5千円から2万円以上、高速道路上ではさらに高額な料金がかかる上に燃料代も別途必要となり、非常に大きな出費を覚悟しなければなりません。そこでおすすめなのが、自動車保険のロードサービス活用です。多くの保険会社がガス欠時の燃料補給サービスを無料で提供しており、保険期間中に1回(会社によっては2回)まで、10リットルのガソリンを燃料代も含めて無料で届けてくれるプランが主流になっています。これは最も経済的な解決策と言えるでしょう。依頼する際は、保険証券などに記載された専用ダイヤルに連絡します。どちらを呼ぶにせよ、現在地を正確に伝えることが迅速な救援の鍵です。住所が不明な場合は、スマートフォンの地図アプリや、近くの電柱の管理番号、大きな建物などを目印として伝えましょう。注意点として、高速道路上でのガス欠は「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」という交通違反にあたり、反則金と違反点数が科されることを覚えておく必要があります。また、サービスカーが運んでくれる燃料はあくまで最寄りのガソリンスタンドへ向かうための緊急用です。給油を受けたら、速やかにスタンドへ向かい満タンにしましょう。ガス欠は未然に防ぐのが最善ですが、万が一の際には、まず安全確保、そしてJAFか保険会社へ連絡、という手順を思い出してください。